【自分だけの】もう一度、真摯にキーボードと向き合おう。【キーボード】

 


 気になっていた『ふもっふのおみせポップアップショップin新宿』が、諸々考慮して期間中の訪問が厳しい(実質、無理)となったため、悲しみに暮れている芥川です。色々見たかったし、触りたかったのですが……。


 嘆いていても悲しいだけなので、キーボードのレイアウトについて考えていました。




 有名なHHKBの生みの親、東京大学名誉教授である和田英一氏談話は、キーボードについて考える上でとても重要な言葉だと思います。

「キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。」(談話より引用) 

 それは、どんなにPCが変わろうともインターフェースであるキーボードが変わらなければ(性能・仕様の変化はともかくとして)、使い勝手は変わらず、ユーザーにとって馴染んだ使い心地であり続ける、ということだと思います。それはHHKBのみならず、すべてのキーボードにとって大切な考えだと思うのです。

(元々はキーボードが変わる度に配列がバラバラなのは駄目だ、といった視点から始まった開発だったそうですが)


 普遍的なキーボードレイアウトというのは、なかなかに難しいところだと思います。あのHHKBも明確なコンセプトの下に開発され、今も愛される名機であり続けていますが、一方で私のようなユーザーにとってはとっつきにくそうなレイアウトでもあります(ユーザーとして対象では無い、と言えますが)。そして世の中にはJIS配列やUS配列等々、キーボードの配列としては種類があるわけです。

 日本で生まれ、特にこだわること無くPCに触れると多くのユーザーはJIS配列と遭遇するかと思います。それが良いか悪いかというのは難しいところですし、そもそもそういった問題でも無い、とも言えます。JIS配列で何も問題なければ一般的にはその後も何も問題ありませんが、プログラマーになったりゲーミング用途でキーボードを使うとなると、US配列の方が都合が良い、ということはあるでしょう。ですが、それは良いことでも悪いことでもありません。それは本当に『都合の問題』なのです。


VARMILO 65%デザイン

 さて、冒頭にもあった画像ですが、こちらはネット上で公開されていたエクセルシートでキーボードのレイアウトを考えている方をみかけ、参考にしました。そちらは60%とフルキーボードのデザインだったので、参考にしながらVARMILOの65%レイアウトベースで作成しました。

 和田氏はHHKBのベースとなった『alphaキーボード』、そして『alephキーボード』を思案されたのですが、その際には厚紙で試作模型を作ったそうです。それに倣ってというか何というか、私もこのエクセルシートで『自分だけのキーボード』というものをもう一度考え直そうかな、と。

 これはオーダーメイドというよりは自作に近い思考作業ですね。


 ここでひとつ、『私(芥川)がキーボードを使用するシチュエーション』を考えることになりますが、私はアマチュア作家として活動しています。趣味で小説を書いて、ウェブ上で公開しているのです(18歳未満閲覧禁止な内容です)。なので、私がキーボードに触れるのは『小説を書いている時間』がメインであり、大半を占めています。

 PCで文章を書く、というのは今では珍しくもない作業ですが、それに使用するキーボードというのは千差万別であり、慣れや好みが大きく効率というものに影響してくるものです。快適に、長時間、そして長文を執筆するということを考えると適したレイアウトのキーボードというのは非常に重要で有効なツール(インターフェース)であると思います。

 私がキーボードの購入を考えた時、配列は自然とJIS配列を思い浮かべていましたし、市販製品として目立つ(目に留まりやすかった)のもJIS配列でした。US配列等は『何かこだわりがある人が選ぶキーボード』というのが私の認識だったわけです。これに関しては現在の認識もそれほど変化は無く、『プログラマー』や『ゲーマー』の方々が使いやすいレイアウトとして他の配列を選んでいる、くらいの認識です。

 そうなると私が快適に、長時間、そして長文を執筆するということを考えると、JIS配列を選んだのは自然な選択だったと言えるでしょう。ただし、それがベストであったかどうかについては一考の余地があるでしょう。


 画像のキーボードに話を戻しましょう。

 画像のキーボードはVARMILOの65%配列を可能な範囲で再現したものです。このキーボードは矢印キーを活かした結果、60%と比べてワイドなケースとなっています。このあたりは悩ましい部分ではありますが、実用性を考えると妥協点と言えるでしょう。近いサイズの80%と比べてやや窮屈なレイアウトになってはいますが、矢印キーを独立させ、それでいてコンパクトにするにはこれがベターでしょう。製品的にもユーザー的にも、ここはこうなるべくしてなった、というデザインだと思います。

 キーの配置ですが、基本的な配置に対して拒絶するようなレベルでの不満はありません。……それでは話が終わってしまいますが、『使うキー』と『使いやすい位置』というのを追求するのは有意義なことです。


VARMILO  65%改、芥川キーボード試作型


 正直なところ、かなり和田氏の思考に影響を受けています(和田氏ほど洗練されたものにはなりませんが……)。最も影響を受けたのは『CapsLockは必要か?』というあたりです。ただ、このデザインにはひとつ問題があり、英数切り替えが多少面倒になったということです。この辺りはショートカットを駆使しなければならないか、それとも半角/全角キーを新設するか……。まだまだ課題は多そうですが、矢印キーを残しつつ、よりコンパクトには出来ましたね。

 JIS配列をベースに省略、配置変更をすることで配列に大きな違和感なく、使いやすいものにするという試みは面白そうです。(自作や商業で研究されているのでしょうが、個人的な楽しみとして)


 まだまだ課題もありますし、追求してどうなるんだというテーマではありますが……ここで一度、真摯にキーボードと向き合い、『自分だけのキーボード』を考えるのは悪くないなと思う夜です。

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