【自分だけの】英数キーと向き合う芥川【キーボード】

  前回の記事で三雲岳斗さんがキーボードについて語られているnoteの紹介をしましたが、それを経てあらためて「英数キーはやっぱりあった方が良いのかも……」と考えるようになりました。

 元々英数キーは多用していましたし、CapsLockという(個人的に)不必要な機能さえ無ければ存在していて欲しいキーです。しかし、私はここでとんでもない思考の硬さを発揮していました。


CapsLock=英数キー


 いいえ、そうではありません。CapsLockと英数キーが同居しているだけなのです、あのキーは。ですから、市販品で悩むのであればともかく、これから作ろう(作りたい)というオリジナルキーボードでその部分にこだわって「全部要らない」なんてやるのは、ナンセンスだったのです。

 英数キー、あらためて向き合う必要がありました。




 こちらが試作3型までのレイアウトです。まさにHHKBとLEOPOLDの、自分にとって都合の良い部分を摘まんだかのようなレイアウトです。そしてこのレイアウトでは、英数キーは物理的に存在していません。

 英数キーを単独で存在させても良いではないか、と気が付いた私はそれをどこに入れるかで悩みました。ご覧頂いているように、試作3型ではかなりキー数を減らしているレイアウトなのですが、入れるとすれば余白となっている左下、現在は『Writing Mania』と記入している部分でしょう。

 入れる部分はそこしかありません。……ですが、悩みました。「本当にそこに入れて良いのか?」と。削ったキー数、なのに増やすのか? そこに葛藤があったわけです。そして正直なところ、自分なりの美意識みたいなものが、そこに1キー増やすことによってレイアウトが崩れるような気がしていて、躊躇ったのです。

 まあ、正直なところ「美意識なんて最初からないだろ?」というのが結論でした。見苦しくない、というのは大事ですが、美術品のように美しくあるよりも、使いやすさが最も重要なのですから。洗練された美には機能性も含まれると思いますが、洗練されすぎた美には、常用するには躊躇するものがあるように思えます。



 試作4型です。そして、この試作4型でスペースキーの長さを変えました。この図ですと4.5Uくらいですが、実際のところは4.75Uといったところでしょうか。肝心の英数キーはスペースキーの列、左端にあります。

 英数キーの表記をどうしようか悩みましたが、とりあえず暫定として『Alphanumeric』としています。長い。『Alpha』とか、記号とかで代用したいところです。

(そのまま『英数』としないのは……まあ、デザイン的に漢字じゃないほうが綺麗だな、と)



 漢字と英字が混ざっているデザインというのも何か不安定だな……と思っていたので試作4では英数キーをそのまま表記しませんでしたが、「『逆』はどうなんだろう?」と、最近レトロなレジェンドのキーキャップを見てふと考え、試してみました。

 書体がちょっと合っていないかな、と思う以外はなかなか面白いなと思います(余計な『芥川電子』の表記以外は)。AltキーとFnキーが的確な日本語表現が見つけられず、とりあえずAltは『代役キー』という解説があったのでストレートにそう表記しました。Fnは諦め……何か良い案があれば変えたいところです。


 英数キーをこうして入れてみると、位置取りが少し気になりますね……。一応、左小指や薬指で対応できる位置ですが、咄嗟に打鍵できるかどうかはコンセプト的に重要な部分です。う~ん……。模型とか作って、試さないとわかりませんね……。


 とりあえず、現状でのレイアウトはこんなところです。次の段階としては、模型を作ってみて使い心地を擬似的に体感してみよう、といったところでしょうか。キーキャップやケースのサイズ感はVARMILOを型としてやってみようと思います。

 作業的に大変なので、時間はかかりそうですが……まあ、これは趣味なので。お城の模型を作るような気持ちでじっくり取り組もうと思います。

(お城の模型、完成させたことないですけどね……)


この記事は『VARMILO Sakura JIS TKL / ローズ軸(V1)』で書きました。



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