【自分でも使えない】配列を日本語での執筆に特化させたらどうなる? 第1回【キーボード】
理想の『マイキーボード』を妄想している芥川ですが、試行錯誤してきた結果、確かに理想的ではあるけれども洗練されていない……という印象のキー配列になってきました。これは要らない、でもこっちは要る……とやってみた結果、何とも中途半端になったというか。
自分の中にある、「あまり使わないけどあったら安心」みたいな考え方が、悪い方向に出てしまいました。(いや、元々悪い方向の考え方ではあると思いますが)
今回は、「用意しておいても使わないでしょ!」と、心を鬼にして『使わないキー』を削ってみようと思います。
こちらは『理想のマイキーボード』としてここまでにまとまった『AKVキーボード』のデザイン案です。当初はHHKBとLEOPOLDを足して割ったようなデザインでしたが、英数キーを単独で収めた結果、こうなりました。それなりにまとまったように思いますが、『必要なものを必要なだけ、無駄なものは排除』という考え方からみると……まだまだ『無駄』が多いように思えます。
これはこれで、日本語文章を打ち込むには良いキーボードではないかと思っていますが、自作キーボード界隈をみていると洗練された、そして使う環境に特化したデザインに唸らされます。まだまだ自分の考え方は甘いなぁ、と。
(余談ですが、自作キーボードを色々見ていたら、まさにHHKBとLEOPOLDを足して割った、それでいてAKVキーボードよりも洗練されたものをみつけました。自分が考えるような事なんて、誰かが考えているものです)
では、実際の所何が無駄なのか? 必要なものは詰め込んだつもりでいるAKVキーボードですが、実際に使うとして『使わないキー』があるのではないか? そういう部分から、より『日本語での執筆に特化したキーボード』というものを目指してみたいと思います。
遅くなりましたが、今回も考えるのは65%キーボードになりますことを先に書いておきます。
まず、根本的な部分……基本的な配列というものはJIS配列準拠で良いかなと思っています。これはすでにブログ内で書いてきていますが、新しく『慣れ』を必要としない、慣れ親しんだ配列が良いと考えているからです。なので、奇をてらったような文字キーの配置にはしません。(自分が使えないと思うので)
機能キーは配置をJIS配列準拠としつつ、入れ替えと削除を行います。まず、まっさきにCapsLockはさようならです。ただし、英数キーは単独で別途用意します。この点に関してはAKVキーボードと同様の変更点ですが、今回はCtrlと入れ替えをせず、CapsLockを英数単独のキーとして置き換えることにします。Ctrlはそのまま、というわけです。これはHHKBとは異なるやり方ですが、この方が自分の中では自然な気がします。
悩まされるCapsLock問題をシンプルに解決した後、残るのは『無駄なキー』です。用意されているものの、使わないキーは無いでしょうか?
日本語文章特化ということで考えると、使う記号というのが何となくみえてきます。たとえば、“「、」、(、)”という括弧記号、“、”や“。”という句読点。これは日本語文章というよりは日本語会話を表現するための、というのがより適切なものかと思いますが。同じく“?、!”もやはり利用する記号になりますね。
「私は言ったではないですか。たまごかけご飯は……先に、醤油をかけるべきだと! 何故信じてくれないのですか~?」
何とも珍妙な文章ですが、こうして表現すると他にも“…、~“も使いますね。日本語、というわけではありませんが、他には意外と(?)“%”や“&”等も使う気がしますね。微妙なところだと”@”ですが……これはメールアドレスをどうしても表記しなければならない場合、という限定的な使い方の他、限られた特殊なタイトル表記等にしか使わない気がします。これは最悪の場合、変換で済ませれば済むのではないかと考えます。
記号キーは他のキーにショートカットで割り当てられているものが多く、先程挙げた記号はその殆どが数字キーに割り当てられたショートカットです。なので、これらに関してはそもそも特に排除を考えずとも良いということになります。もっとも、数字キーすらいらない、となれば話は別ですが……それはかなり尖った、40%キーボードクラスの限られたけん盤における問題かと思います。
括弧記号、句読点に関しては数字キーとは別のキーであり、それぞれがショートカットではなく独立キーとして存在しています。使用頻度、利便性を考えるとこれらは独立させたまま存在させたいところです。使用頻度の高いキーをショートカットとして割り当てるのは、あまり効率が良いこととは思えませんので。
使うキーを考えていくと、使わないキーがおぼろげにみえてきます。個人的に最も気になるのは“¥”キーです(Win環境)。これ、気にしている方やキーボードマニアな方はご存知の通り、“¥”と打てるキーがふたつあるのです。Backspace左隣の“¥”が印字されているキー、そして右シフトの左隣にある“\”キーです。これは文字コードが絡んだ歴史的な混乱というのが事情のようですが(ざっくり)、解決策は「Macを使おう」なんて(半分くらいは冗談でしょうが)言ってしまっている記事もあるくらいなので、なかなか面倒なお話のようです。どちらもあまり普通の文章を打つという点では使用頻度の低い(というか“\”は殆ど使わない)キーなので、無くても構わないというのが(個人的な)実情です。
ただ、問題なのはこれらに割り当てられているショートカットで、“|、_”といった記号は全角・半角の違いはありますがファイル名を付ける場合やウェブ小説のサイト上における特殊な表現方法のために使用されたりします。私は底辺ウェブ小説作家として多用する身でありますので、この問題はなかなか深刻です。右上の“¥”はまあ残すにしても、右下をどうしたものかと頭を悩ませてしまいますね。
しかしながら、もっとシンプルに使わないキーがあります。65%における“Insert”、“Delete”、“PageUp”、“PageDown”です。これらは機能キーとして存在感を主張していますが、実際の所ただ日本語文章を打つのであれば使う機会は殆どありません。マウスにいちいち手を伸ばしたくない、というユーザーにとっては“PageUp”、“PageDown”は重宝するキーかもしれませんが。このあたりはFnキーとの組み合わせでも良いのではないかと(現段階では)思っています。
で、とりあえず暫定の状態を図にしました。空間(隙間)を調整した結果、なんだかとても普通のキーボードに……。ぱっと見だと分かり難いですが、“\”キーの削除、“@”キーの代りに“_”割り当てという変更を行っています。また、冒頭に書いた通り、“Ctrl”を本来の位置に戻し、“CapsLock”の代りに“Alpha”キー(英数キー)を置きました。奇をてらわず使いやすく、ということを考えると無難な感じでしょうか?
PageUp、Downを残したのは矢印キーの右キーの影響で隙間があるためですね。何か使うキーをそこに、とも思いましたが今のところ良い物が浮かばないのでそのままにしてあります。スペースキーを短くして押し込めば、右側デッドスペースが無くなりますが……矢印キーが窮屈になるのが気になります。省スペースは重要ですが、使い難い省スペースはかえって無駄です。
まだまだ特化させた、とは言えない状態ですね。この案はもう少し煮詰めていきたいところです。自作キーボードでどのようにキーを扱っているのか、もう少し参考にした方が良い気がしますね。
この記事は『VARMILO Sakura JIS 65% / 桜軸』で書きました。
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