【自分だけの】理想の配列と都合の良い配列の違い【キーボード】
自分だけのキーボード、『理想のマイキーボード』をダラダラと考え続けてしばらく経ちました。簡易模型の(とりあえずの)完成により、どのようなものであるのかがハッキリとしてきましたね。
しかしながら、まだまだ煮詰めなければならない部分があるのは明白です。とはいえ、「どう煮詰めていくのか?」というのはまだ見えていません。ここから先の『味付け』は、今までとは違った意味で重要かと思います。
さて、ここまで『理想のマイキーボード』を考える中で、配列の一部をいじることはあっても基本的な配列、所謂『QWERTY(クワーティ)配列』をいじることはありませんでした。自作キーボードに関して触れたブログ等を読むと度々「QWERTY配列は日本語入力に向いていない(適していない)」といった趣旨のことが書かれているものを目にします(自分が読める範囲ではそこまで多いというわけでもありませんが)。『理想のマイキーボード』は日本語文章入力において強い『武器』となることを理想として掲げている以上、その点に関しては「どうなの?」という部分ですが……これはけん盤配列の歴史と、私が考える一般的なキーボードへの慣れの過程を考えるとなかなか難しい問題です。
キーボードの配列が『QWERTY配列』と呼ばれる並びとなっているのは、ついつい疑問に思わなくなってしまいますが面白いことだと私は思います。その並びはアルファベット順ではなく、よく考えれば不思議な並び方をしています。この並び方になったのは諸説あるようですが、その源流となっているのはタイプライターであることは確かなようです。そこから様々な過程を経て、コンピュータの入力デバイスとしてキーボードが用いられるようになっても、この『QWERTY配列』は維持され続けたわけですね。技術的には大きな革新が起こっていたというのに、キーボードのけん盤配列がタイプライター時代から変わらないというのも、それはそれで面白い事象ですね。
そうして長い間『QWERTY配列』はタイプライターやキーボードの文字列として固定化され、馴染んできたわけですが……それが『理想的な配列』であるとは、どうやら言えないようです。それが前述した『QWERTY配列は日本語入力に向いていない(適していない)』というお話ですね。それが故に、自作キーボード界隈では独創的な配列にして、より効率的な入力環境を構築しようとする方がいらっしゃるようです。配列沼、なんて恐ろしい分野のようです……。『QWERTY配列』はスタンダードとして定着していますが、キーボードを多用するユーザー、マニアなユーザーにとっては不満の多い配列のようです。
そんな『QWERTY配列』をAKVキーボード(理想のマイキーボード)では何故維持しているか? それは「理想的な配列ではないかもしれないが、都合が良い配列だから」です。
理想を追求してこそ『理想のマイキーボード』なのではないか? そう思う部分もありますが、ここでは『使いやすいキーボードであること』という、もうひとつのテーマを思い出します。つまり、『QWERTY配列』ではない配列を選択するというのは『使いやすいキーボード』ではない、ということです。これは他の革新的な配列を否定しているのではなく、『都合が良いか悪いか』という観点から『使いやすさ』をみた結果です。
都合が良い、と言うと、ひどくざっくりとした印象になってしまいますが、これに関しては『私が考える一般的なキーボードへの慣れの過程』というのが大きいです。私たちは家庭なり学校なりでPCに触れ、キーボードの配列に馴染んでいくと思うのですが、そこにあるキーボードの配列は何でしょうか? よほど革新的なご家庭、学校でもない限り『QWERTY配列』だと思うのです。そうして馴染んだ配列を新しいキーボードで「じゃあ変えてみようか」となった時、はたしてすぐに馴染めるでしょうか? まあ、慣れる人もいるでしょう。ですが、それを考えた時に私は「無理だな」と思ったのです。そう思うと、『理想のマイキーボード』で革新的な配列を導入することは『都合が悪い』という結論に至りました。
こうして考えてみると、『理想の配列』というのは『(早急に、もしくは近々において)導入すべき新しいスタンダード』であり、『都合の良い配列』というのは『移行コストがかからないスタンダード』だと言えるのではないでしょうか? 配列について調べると、使用されている革新的な配列、消えていった配列等、様々なものがあることを知ります。そういったものが、理想的な配列なのに何故スタンダードになり得ない、なりにくいのか? そこには『(メーカーが想定している)ユーザーにとって都合が悪い』から、という理由があるのかもしれませんね。
日本語ですとローマ字入力とかな入力がありますが、入力方法との組み合わせまで考えると配列というのは本当に沼なのだなと思います。奥が深く興味深い分野ですが、難しい……。
私には独創的なアイデアはありませんし、(時間的な)移行コストを割くのは嫌なので『QWERTY配列』の亡者となり続けるかと思いますが、色々と知るのも悪くはないなと思います。知ることは楽しいものです。
この記事は『VARMILO Sakura JIS(TKL) / ローズ軸(旧、スプレールブ済み)+静音化リング(1.5mm)』で書きました。
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