【自キ】自作キーボードを設計してみよう 2.レイアウト編 補足【設計】


 前回の記事でとりあえず作るキーボードのレイアウトが固まったかと思いますが、今回はレイアウトについて補足します。



 前回、「キーキャップセットに無いサイズのキーは作らない」という注意点を挙げましたが、それだけでは足らないので補足として今回の記事を書きます。お気づきの方もいらっしゃったかと思いますが、キーキャップにはサイズの問題と共にそのキーが『どこ』に置かれるか決まっている場合があります。それがキーキャップセットで『R1』や『R2』と表記されている画像ですね。これはそれぞれの行でキーキャップの形が違うためです。(ステップスカルプチャーとか、そういうお話)

 キーキャップセットの画像はキーがただ並べられているだけのように見えて、実は『どこに』、『どのキーが』はめられるように設計されているかが明示されています。それがキーキャップセットの全体画像で左端に書いてある『R1』や『R2』といった文字です。これらは『Row1』や『Row2』という意味合いで、ようは「1行目用」なのか「2行目用」なのかということを明示しているわけですね。ただ、メーカーによっては上から数えるのか下から数えるのかで違ったりするようなので、その場合はそのセットで『R◯』と書かれている横に並べられているのがその行に使えるものだというのだけは変わりませんから、適宜自分でキーボード上に置く際に間違えなければ良いかと思います。


 で、今回の補足としてはそこが問題でして、たとえば作例のレイアウトでは『[』や『]』が2行目、3行目に配置されていますが『そこ』に使えるキーキャップがあるのか? ということです。そして肝心な問題はキーキャップセットは基本的に数字行を最上段(F1等のファンクションキーも含む)として扱っており、QWERTY行は上から2段目として扱っている、ということです。つまり、キーキャップセット的には作例のレイアウトは『見えない最上段』があるので、行カウント的には最上段を『R2』(もしくは『R3』)として見なす必要があります。となると、作例では『[』や『]』が3行目、4行目にあるものとして考える必要が出てきますね? しかし、キーキャップセットを見るとそんなところに配置できる『[』や『]』が入っているものは無さそう(あるいは少ない)に見えます。

 せっかく自分好みのレイアウトを組んでも、キーキャップが目的のものを使えないというのはいただけません(作例ではすでにエンターキーがその状態ですが)。これを解決する方法としては無刻印のキーキャップ(ブランクキーキャップ)を採用するという手法がありますが、もうひとつの手段としては行の制限が無いキーキャップを使う、というものがあります。DSAプロファイルやNPプロファイルのようなフラットな、行毎の形状差がないキーキャップであればサイズさえ合えば場所を制限されずに使用できます。

DSAプロファイルを使用した作例

 使いたいところに使いたいキーキャップが使える、それが一番Happyなのですが、なかなかそう上手く行きません(特に日本語配列では)。こういったキーキャップ事情を加味してレイアウトを決めていくと、最終的に悩むことが少なくなるかなと思います。すっかりその点を忘れていたので、補足とさせていただきました。


 次回こそ、『3.プレートデザイン編』です。

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