【自キ】自作キーボードを設計してみよう 4.組み立て準備編【設計】


 前回までの内容を実行できれば、自作キーボードを空中配線で組み立てるための下準備は出来ています。……ですが、肝心な「何を使って組むの?」というのがまだわかりませんね?(中級・上級者の方はもちろんおわかりでしょうが)

 今回は、空中配線で組むために必要なものを取り上げ、準備していきます。



 まず、空中配線と特に説明もなくここまで来てしまいましたが、空中配線とは別の言い方をすると手配線、海外ではHand Wired(Hand Wiringもあるみたい)という風に表記される、基板を使わずに導線とダイオードを直接キースイッチにはんだ付けし、配線していく手法です。

Hand wired Keyboard(Google画像検索)

 利点としては基板を作らずともキーボードが作れることが挙げられます。一方、基板を使わないことによる弊害としては、トッププレートのみで打鍵に対する剛性を保たなければならなくなる点が挙げられます。ただし、剛性については硬い銅線を使うことでプレートすらいらなくなる組み方も出来るようです……が、ちょっとそれは難易度が高そうですね。以下のリンクは私が驚いた、TALPKEYBOARDさんで取り上げられていたキーボードです。

No case, no plate, no pcb

magnet wire keyboard tutorial - 基板もケースもない自作キーボードの作り方

 空中配線も極めればこんな芸術作品みたいなものに仕上げられるんですね……(自分の配線を見て溜息)。


 さて、筆者の配線がゴミなのは置いておいて、必要なものを確認していきましょう。まず部品ですが、以下の物が必要になります。

・キースイッチ(お好きなもの / 作例ではプレート含め、MX互換軸で想定)

・導線(絶縁導線、見た目が綺麗になりやすいのはエナメル銅線)

・ダイオード(1N4148 / 四角いタイプではなく、丸くて足が長いやつ)

・Pro Micro(マイコン / 色々ありますが情報があって使いやすいATmega32U4を選択)

・USBケーブル(Pro Microの仕様によりMicro-USB BかUSB-Cの二択)

・M2ねじ

・M2スペーサー

遊舎工房TALPKEYBOARD等のショップで導線以外は揃えられます。導線は電子工作系のパーツを取り扱っているお店や大手通販サイト等で購入できます)


 組み立てに必要な道具類は以下の物が必要になります。

・はんだごて(温度調整機能があると嬉しい)

・はんだ

・グルーガン等の接着剤

・導線を切ることが出来るニッパー(被覆付きをつかうのであればワイヤーストリッパー)

(工具を扱うお店で揃えることが出来ます。各種通販サイトにもあるので購入難易度は低いです)


 実例として、筆者が揃えた物と購入先を挙げておきます。

キースイッチ / DUROCK T1 Shrimp サイレントタクタイルスイッチ

 TALPKEYBOARD

導線 / 協和ハーモネット UL1007 AWG24 耐熱ビニル絶縁電線

 Amazon

ダイオード / 1N4148

 TALPKEYBOARD

Pro Micro / ATmega32U4

 TALPKEYBOARD

・USBケーブル / USB-C

 遊舎工房

・M2ねじ / トラス小ねじ M2 - 4mm

 遊舎工房

・M2スペーサー / 黄銅スペーサー(丸)M2 - 10mm

 遊舎工房

・はんだごて、はんだ

 遊舎工房(リンク先は購入した全部入りセットですが、基本セットでもOK)

グルーガン

 DAISO

グルースティック(グルーガンで使う)

 DAISO

ワイヤーストリッパー

 Amazon


 揃えるとなるとそこそこお金がかかりますが、今後も自作キーボードや電子工作をするというのであれば、はんだごてやグルーガンは持っておいて損はないかと思います。グルーガンはとりあえず使えたら良いや、という気持ちでDAISOのものを用意しましたが、多少使いづらさはありますが使用には問題ありません。


 部品、道具が揃えば組み立てが可能になります。が、その前に『5.空中配線の注意点編』。基板を設計・製造しなくても組めるけど、良いところだけでもなく……というお話です。

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