【自キ】自作キーボードを設計してみよう 6.空中配線で組み立て編【設計】



 道具も部品も、心構えも準備できましたでしょうか? それでは組み立てていきましょう!




 アクリルプレートから保護紙を取ります。ガムテープを角付近に貼り付け、ピッと引っ張ってやると取りやすいみたいです。紙だけにガムテープを貼るよりも、角でプレート側面まで貼るつもりで念入りにガムテープを付けておくと剥がれやすいような気がしますが個人の見解なのでやりやすい方法を模索してください(丸投げ)。

※「アクリル 保護紙 剥がす方法」とかで検索すると色々みつかるかと。



 キースイッチをプレートにはめていきましょう。プレートの裏表を間違えないように気を付けましょう(オーソリニアみたいなレイアウトは問題ないかと思いますが)。

 キースイッチをはめたら、グルーガン等で接着します。接着が甘いとキーキャップ外す時とかにキースイッチが抜けて破損させてしまうので念入りに(自戒)。裏を見せる、透明なボトムプレートでもない限り誰も見ない(筈)なので、気にせずガッツリもりもりにしておきましょう。心の平穏は余裕の打鍵につながります(適当)。



 ダイオードをキースイッチの端子にはんだ付けします。キースイッチの端子はふたつありますが、そのうちの片方にはんだ付けします。ダイオードは電気の流れを一定の方向にする部品、ということなので(にわか知識)、向きを間違えると動作不良、故障の原因となると思いますので気を付けます(自分は3個ほど向きを間違えていました、組み上げる前に気が付いて良かった……)。

 アノードからカソードに向かって電気が流れるということですが、組み上げる際はアノード側をキースイッチにはんだ付けする方が感覚的にもわかりやすいかな、と思って他の方の作例を参考にそうしています。COL2ROWと呼ばれるものだそうです。

 逆でも全て同じ方向にしていれば問題ないみたいですが(後に触れるファームウェアの領域)、アノード側をキースイッチにつけるのが他の作例を参考に修正できるので良いかなと思います。

 画像のダイオードは変な方向に足が曲がっていますが、縦に曲げているのをキースイッチの端子に、横に曲がっているのを行方向(横方向)に繋げていくためにそうしています。これは他の方の作例を参考にしています。



 わかりにくい画像ですみません(配線画像を撮っていないのに気が付いて、これを書いている時に撮りました……)。ダイオードの足を利用して、そのままはんだで繋げています。縦(列方向)は導線で繋げています。……はんだ付けに苦戦して、熱をかけすぎて被膜がボロボロのがチラホラと……。接触不良(というかショート)に繋がるので、注意したい点です。その点、エナメル銅線の方が良さそうですが……まだ使ったことが無いので断言できません。



 配線の仕方はレイアウトによって、特に列方向が差異が出るような気がしますが、縦をどのように繋げるかは上の画像のようにキーに番号を割り振り、続く番号を縦で結ぶと良いのかなと。今回の作例で言えば「SW1~SW4」、「SW5~SW8」のように。この作例で難しいのは「SW41」以降でしょうか。途切れたところで縦は繋ぐのを止めているので、SW43とSW44が少し離れていますが繋がっていて、「SW45~SW47」、「SW48~SW50」、「SW51~SW52」といった感じで繋いでいます。

 注意しなければいけないのは、あくまでも上の画像は「表側」からみたものであり、配線は「裏側」からなので、左右反転するということですね。そこが少し混乱しそうですが、SW1から順に配線していくようにしておけば大丈夫かなと思います。この辺りは経験と知識があると安心かなと思うので、事前に空中配線の作例を色々見ておくのをオススメします。ちなみに私は見事に左右逆ではんだ付けしてしまい、やり直しています


 縦、横が繋がったらマイコン(今回はProMicro)に繋げていきます。



 エクセルで作った簡易的な図で申し訳ないのですが、ProMicro互換基板の図です。作例で使用したのはUSB-Cのものでしたが、似たような見た目でちょっと違う、というのも多いパーツなので、使うものによって異なる点に注意が必要ですね。ちなみに上の画像に書き込まれているアルファベットと数字の組み合わせのコードのようなものは、基板にプリントされているものと異なります

 ProMicroで厄介なのは、基板にプリントされているピン番号(画像では枠の外にありますが、基板上にある『穴』の横に書かれているアルファベットと数字の組み合わせ――たとえばGND等)と実際にファームウェアで使用するものが違う、という点でしょうか。『A3』とプリントされているけれども実際に処理として使うのは『F4』というコードだったり、ちょっと初心者にはややこしい部分です。また、配線に使えないピンもあったりするので、そこもまた混乱します。

 空中配線でLEDを使わない場合、『RAW』、『GND』、『RST』、『VCC』と上の画像で書かれているピンが使えません(使いません)。なので、上のタイプのProMicro互換基板を使う場合は、配線に対して繋げられるのは24-6=18ということになります。作例のAct-JP52の場合、配線は縦で4、横で14使いますので、4+14=18でギリギリということになります。

(COL2ROWで繋げた場合、81キーまで使えるそうです。これはシンプルに繋げた場合の限界であって、倍マトリクスといった手法を使えば、162キーまで対応できるとのこと)


 配線をどう繋げていくか、については行方向(横方向)は上から順にD3、D2、D1、D0と繋げ、列方向(縦方向)については左から順にD4、C6、D7、E6、B4、B5、F4、F5、F6、 F7、B1、B3、B2、B6と作例では繋げています。足りているから、というのと倍マトリクスの制御が掴めていなかったため、シンプルにCOL2ROWで配線しています。

 基本的に、行と列の終点からProMicroに配線を繋げれば良いかなと思うので、どこにどれが行くかを間違えなければ大丈夫だと思います。(ざっくり)



 配線出来たら完成……と、言いたいところなのですがこれではまだ動きません。なので、ボトムプレートを固定する前にやるべきことをやる必要があります。それが、度々触れている『ファームウェア』の作成です。

 次回は『7.ファームウェアの作成』です。筆者の感覚としては、ここが一番難しい部分だと思いますので、焦らずじっくり進めましょう。

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