【自キ】Yamada75 Goをあらためてレビューしてみよう【山田】
Yamada75 Goこと山田75号は堕落猫さんが設計された75キーの日本語配列キーボードです。
・はじめに
2021年12月に頒布開始した山田75号は当初、FR4のトッププレートとPCBのみの2枚構成で、ボトムプレートレスという自作キーボードキットでした。ゴム足をPCBに付けて使用するというのはなかなかに割り切った仕様で、ボトムプレートが無い分安価に出来るという「言われてみればそうだけど」というのを実現し、「これから自作キーボードを始めよう、日本語配列の自作キーボードが欲しい人のために出来るだけ簡単に導入できることを目指し設計したキーボード」(商品説明より抜粋)というコンセプトの遂行を実践しています。
安価だから安っぽいということはなく、しっかりとキーボードとして使える手応えは基板剥き出しの野性味溢れる(?)姿とは真逆の印象です。むしろ、「これで良いんだ、これで良い」とさえ思えます。
その後、山田75号はアップデートされ、初期の旧Ver.とは異なるアクリルVer.が登場しました。PCBとトッププレートの2枚構成だったものがトップ、ミドル(2枚)、ボトムとPCBを合わせた5枚構成となり、重量と手応え、そして打鍵音が進化したニュー山田となったのです。これは同じ山田75号でも異なる使用感で、より上質なタイピング体験を味わえる1台となりました。
プレートが増えたことで価格もやや上がってしまいましたが、逆にこの構成でこの値段は安すぎると言えるでしょう。アップデートされても、山田75号のコンセプトは守られているのです。
(ちなみに2枚構成版の『Yamada75 Go シンプル版』があらたに加わりました)
・Yamada75 GO(アクリルVer.)
アクリルでしっかりと詰まったボディは、打鍵感に対してしっかりとした手応えを与えています。それは重量と剛性が与えた結果であり、しっかりとして非常に安定したものに感じられます。アクリルで構成されているために金属的な響きはなく、金属ケースの響きが好みではない場合、一考の余地が有るのではないかと思います。
配列は特に奇抜なことはない、スペースキーが2Uとやや小ぶりな日本語配列です。ホームポジションに指を置いた時、自然と変換・無変換に指がかかるのが私としては好印象です。日本語文章を打つ上で、変換・無変換は大事ですからね(とはいえ、私のタイピングは運指がメチャクチャなので活かせているのか怪しいですが)。
75キーの設定は多すぎず少なすぎずといった印象で、私はあえて2キーをキースイッチブロッカーで塞いでいますが75キーでもなんら困ることはありませんし、不満もありません。褒め言葉として言いますが、「普通に使える」日本語配列キーボードです。この「普通に使える」って、当たり前かと思うかもしれませんがとても大事なことです。既製品の日本語配列キーボードから移行した際に、スムーズに使用できるかどうか? そういう部分が何ら問題ないキーボードだと思います。それはこのキーボードを組む上でかかるコスト以上にリーズナブルでパフォーマンスの高い部分だと自分は思っています。
サイズ感もまたひとつのポイントで、このキーボードは75%相当のサイズにあたりますが、65%と80%の中間で丁度良いサイズ感だと思います。横幅に関しては80%クラスですが、縦幅は65%クラスなのです。65%だと少し小さい(窮屈感がある)けれども、80%だと少し大きい……そんなデスク事情にピッタリではないでしょうか。
・数少ない欠点
キーキャップの選択肢の少なさは山田75号のみならず、日本語配列自作キーボード全てにおける課題です。課題? 問題? とにかく、自作キーボードの世界では日本語配列は少数派なため、とにかく日本語配列に対応したキーキャップが少ないのですね……。そのため、日本語配列自作キーボードの画像を見たりすると、結構似たキーキャップ(というかFILCO Majestouchシリーズ専用交換用キーキャップセット)なんですよね……。ここは本当に歯痒い部分ですが、無いよりはマシといった感じですね。これを欠点として挙げるのは山田75号に対する押しつけに近いものですが、現状としてそういう環境なので現実を見るしかありません。
日本語配列対応のキーキャップが無いというわけではないので、根気よく探すか、GB等で販売されるのを気長に待つのも手です。あとは刻印を気にしないというのであれば無刻印(ブランクキーキャップ)を使うという強引な解決手段もありますが。
また、これはPCBの製品誤差に影響を受けることですが、アクリルとの接着面が浮いてしまう場合があります。これは両面テープで接着する組み立てとPCBの反りがやや厳しい部分で、PCBの歪みでアクリルが浮く場合はビルドガイドにある両面テープではなく、少し強めの両面テープでPCBとアクリルを接着した方が良いでしょうね。
・日本語配列環境を維持しつつ、自作キーボードを始めたい人にオススメ
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