【自キ】作ってみよう、30%キーボード【設計】


 使うのも作るのも初めてだった30%キーボード。使ってみると意外となんとかなり、多少の慣れは必要ですが、使えないことはないなという実感です。

 今回は、そんな私の30%キーボード製作から思った「安易に30%キーボードを作ってみようよ」というお話です。




 元々は「動画で見た良い音がするキーボード、あれみたいなのを自分でも作ってみたいな」というところからスタートしました。丁度、Acty-45の製作過程で上の画像の状態から始めたこともあり、件の動画を思い出したのです。



 ここで私の中にあった条件(?)は、以下の通りです。

・とにかく打鍵音が良い

・部品点数を少なくしたい

・キーボードとして使えるレベル

 残念ながら動画のキーボードのレイアウトでは私には扱いこなせないのが明白でしたので、バックスペースやエンターキーは加えておきたいと思いました。そうするとバランス的にももう数キー加えたほうが良さそうだったので、『,』や『.』、そしてレイヤーキーを兼ねた『/』キーを加え、スペースキーは省くことにしました。



 基本的なキーとしては、上の画像のような感じになれば文章入力が出来るかな? と。これにレイヤーで他の記号等のキーを設定し、『Z』には左シフトも兼任させます(そうでないと、ちょっと使い辛いので)。ちなみに現在試行中のキーマップではShiftとCtrlが逆になっています。使いながら使いやすい位置を模索している感じですね。


 キー数の少なさは、初心者にとっては精神的な壁となって立ちはだかります。私も考えはしたものの、「本当に使えるのか?」と不安でした。実際には徐々にキー数が少ないキーボードを使ったり作ったりしていた影響なのか、以前ほどレイヤー操作に苦労する場面は減ったように思えます(完璧ではありませんが)。上で挙げた条件のひとつ、『キーボードとして使えるレベル』というのはクリア出来たのだと思います。ただ、blog等での入力が出来るようになったというだけの話で、エクセルにデータを入れましょうとかになると……ちょっと、いや、かなり厳しそうな気がします。

 入力の快適性という点ではやはり私には厳しいものであると認めざるを得ませんが、それでもこうしてblogを更新する等の作業に使えているのは『私のキーボード』として合格点を与えても良いかなと思います。ただの自画自賛みたいですが。


 と、実用面での話を中心に書いてきましたが、『作ってみよう』という観点から話をしていきましょう。

 30%キーボードは初めての1台として設計・製作するのにはややオススメ出来ない感じですが、2台目以降であればチャレンジしても良いのではないかなと思います。特に、空中配線に興味のある方には、手始めの1台として



 どうしてオススメなのかと言えば、『部品点数を少なくしたい』に関わってきます。そう、30%キーボードはパッド系を除けば最小レベルで部品点数が少ないんです。それでいてキーボードとしてギリギリ使える(かもしれない)サイズ。ちょっとした興味から手を出すには、高いよりも安い方が良いですよね? 30%キーボードであれば、その条件が満たせるのです。もちろん、ただ空中配線を試したいというだけであれば、最初はパッド系の20%サイズを作るのが良いでしょう。その方が安いですから。

 今回、私がActy-31という30%キーボードを作る上で最も高かったのは(通常の価格であれば)アクリルプレートです。私は遊舎工房さんのレーザー加工サービスを利用しましたが、このサイズと通常価格でオーダーすると4,000ちょっとという価格です(今回は半額サービスと他のキーボード用プレートを同時にカットしてもらったので実際にかかった費用は異なります)。次いで、キースイッチですね。私のようにキメラスイッチ化するために2種類オーダーしなければ、3,000程度で揃えられます(キースイッチによる)。それにProMicro互換基板等のマイコン、ダイオード、導線が部品として必須になります。手持ちのケーブルがあればそこは費用に加えずに済みますが、ちょっとしたお試しであれば100円均一で買えるデータ通信用のケーブルでも十分です。あとはスペーサー、10個入り400ちょいの9mmスペーサーを私はチョイスしています。

 もっと価格は抑えられる筈です。私は私自身が安心して購入できるところからのみ手配している関係で、もっと安く部品を揃えられるところを少し割高で揃えているかもしれません。まあ、その辺りはショップへの信頼とか、危ないショップを避ける自信が無いからとか、そういう部分が影響するとは思いますので、安けりゃ良いというものでも高いから安心というものでもないことを踏まえつつ、自分で納得できるところから購入すれば良い話ですね。安心して購入できるところが増えれば、部品を選択できる自由が広がります。



 配線自体は基板で支えられる通常のはんだ付けと異なり、支えが無い中で導線やダイオードをはんだ付けしないといけないので、苦労はします。プレート間のスペーサーの高さも結構大事で、綺麗にはんだ付け出来ない場合は、ある程度の高さを確保しなければプレートを固定できなくなります。無理すればはんだ付けしたところを破壊しますので、慣れないうちはある程度の高さが良いのかな……私は10mmからスタートしましたが、それでも結構苦労しました。とはいえ、あまり高くしてもキーボード自体の高さが高くなってしまうため、難しい部分ですね。上手い人は本当に薄く作っていて、見惚れてしまいます。


 私の作ったActy-31はキースイッチプレート、ボトムプレートの2枚のプレートにキースイッチを接着して、そこにダイオードと導線をはんだ付けして配線しています。基板があれば剛性感や見栄えはしっかり確保できますが、なくてもキーボードとして機能させることは出来るんですよね。基板を発注するのが難しい、なんて思っている人にも自作キーボードを設計して組み立てられるのが空中配線の良いところです。デメリットは、はんだ付けが本当に大変というか、面倒なところですね……。

 作る難易度は、凝ったレイアウトにしなければ40%も60%も変わりません。むしろキー数が多くなればなるほど面倒(大変)です。空中配線にちょっとチャレンジしようかな、ということであれば、パッドや30%キーボードがオススメなのは、そういうところもあります。なので、安易にチャレンジしてみても良いんじゃないかなぁ、と思うわけです。

 胸を張って自分が作ったキーボードをオススメ出来る設計者ではありませんが、私みたいなよちよち歩きの設計者でもなんとかなるので、2台目以降のキーボードを作ってみたいなという方には「こういうのもあるんだよ」と、30%レイアウトで作る空中配線キーボードをオススメしたいですね。ダイジョウブ、コワクナイヨ


この記事はActy-31で書きました。

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