【自キ】Acty-31を組み立てたよ! という記事【設計】


 ロウスタッガード、31キーのキーボード、『Acty-31』を完成させました。使用感とか知らねえ、とにかく良い音でカタコトと打ちたいんだ! というキーボードです。



 Acty-31はロウスタッガードのキーボードです。名前の通り31キーしかありません

 このキーボードは私が「とにかく打鍵音だけ良いキーボードを組みたい」という思いから「最低限キーボードとして使えて」、「組むのに部品点数が少ない」という点を重視して設計しました。結果的に独創的なキーボードにはなりませんでしたが、私自身は満足しているので良しとしています。



 作るきっかけは、この動画のキーボードです。「この見た目で、なんて良い打鍵音なんだ……」と驚き、その後度々見返してしまう動画です。概要欄を見るとわかりますが、所謂『キメラスイッチ』を使用したキーボードのようです。……それにしたって、良い音過ぎます。



 上の画像はKLEで作成したActy-31のレイアウトですが、一般的なロウスタッガードと違う点がお分かりになりますでしょうか? ZXCVB列(最下段)の『ズレ』が、一般的なロウスタッガードよりも0.25U分、左寄りになっています。これは私がBを打つのに指が戸惑うことがあったため、左に寄せることにしました。

 発想のきっかけになったのはGuide68というキーボードですが、このキーボードとの出会いのおかげで「自分には一般的なロウスタッガードよりも、これの方が使いやすいのでは?」と気付かされました。

 31キーということですと、有名なNomu30がありますが、レイアウト的な好みの問題で自分でActy-31を作ることにしました。良い悪いではなく、好み。これが大切です。


 Acty-31は31キーしかないため、レイヤーを駆使して使用しなければなりません。エンターやバックスペースはさすがに残しましたが、それ以外は他のキーとの共存という形になります。

 正直なところ、私自身がこれを使いやすいとは思っていませんが、使えないことは無いので良しとしています。このキーボードの最大の目標は「打鍵音だけ良い」ですから。



 構成はアクリルプレート(2mm)のスイッチプレートとボトムプレートのみによる、サンドイッチマウント(?)です。……サンドしているのか? 基板を使用せず、空中配線で機能するように組んでいます。はんだ付け、苦手なのに。

 Acty-31はスタビライザーを使用しないため、組み立て自体はシンプルですね。打鍵音に関わる部分での工夫には、ボトムプレートにPORONシートを貼り、対策(というものでもありませんが)しています。悪足掻きみたいなものですね。でも、そういう悪足掻きもしておかないと、的な。


 サイズ感としては、あまりコンパクトではありません。キー数的にはコンパクトなはずですが、結果的にそれなりなサイズになっています。もう少しデザイン力があれば、違うのでしょうが……今の私にはこれが精一杯ですね。キーキャップの端とプレートの端が面一つらいち、ようはふたつの面がピッタリってことですね)になっていないので、ちょっと大きな印象を受けるのだと思います。コンパクトなキーボードは、所謂ベゼルレス的なデザインが多いような印象です。……まあ、私が知らないだけでしょうが。



 キースイッチは、所謂『キメラスイッチ』などと呼ばれるカスタム・キースイッチです。参考にした例とは組み合わせが異なっていますが、タクタイル系のキメラです。正直、これを試したくてたまらず、プレートの加工を前倒しして依頼したという経緯があります(モウガマンデキナイ)。

 組み合わせはMX Brownのトップとボトムに、Boba Black U4Tのステムと社外品2ステージスプリング(63.5g)をルブして組み込んでいます。ちょい重ライトタクタイル感(?)。好みだと思っているHako Violetよりは重く、打鍵音の軽やかさみたいなものは近いかな……? 重さ的にはJWIC T1の手応えが近いかな、といった印象ですね。ルブの仕方とかでももう少し変わるのかもしれませんね。


 画像で一目瞭然な失敗をしていまして、アクリル2mmプレートでは特別な加工をしないとキースイッチがハマらないため、固定する必要があるのですが……瞬間接着材の影響で白くなってしまいました。白化という現象とのことですが、これを忘れていました。可能な限り拭き取りましたが、どうにも酷い箇所が……。次にやる時は、グルーガンでやることにします。(Acty-45も同じ瞬間接着材を使用しましたが、見えない箇所&マットホワイトの影響で気になりませんでした)

 ルブはなるべくした方が良いなと最近は思っているので、組むならやるのですが……今回はキメラスイッチということで、部品を交換したりして気を使いました。せっかくやったのに上手く動作しないとか、嫌ですからね……。余談ですが、余った部品と用意したスプリングで組んだ方も何か良さげな感じでした。余らすのも嫌だなと思っていたので、これはお得? 実用状態で確認したわけではないので、まあファーストインプレッションて感じですが。


 ボトムプレートには前述の通り、PORONシートを貼りました。打鍵音系の対策はそれだけです。最初はサイドをマスキングテープで囲うつもりでしたが、剥き出しのままで響かせても良いかなと。発想元のキーボードがまさに剥き出し(構造と素材が異なりすぎますが)なので。打鍵音を追求するならやれよ、ってところですが……自分なりの探求という感じで、今回はオミットすることにします。気になったら貼れば良いですから。

 実際に使ってみた感じでは「これはこれで」といった感じですね。官能的な打鍵音を響かせるわけではありませんが、私は好きな感じです。イイ感じのコトコト感があります。ちょっとパチパチ感もあるかな……?



 あらためて、組み上がった状態がこちら。特別美しくもカッコイイものでもありませんが、個人的には満足、いや大満足です。今回初めてチョイスしたオフホワイトのキーキャップ、落ち着いて良さげです。最初は「結構グレーに近い色合いになるかな……?」と思っていたのですが、実際に届いたキーキャップはイイ感じの色合いでした。……これならホワイトよりもチョイスしたいかも?

 使い心地のほうですが、打鍵音は発想元のダンボールキーボードを越えることは出来ませんでしたね……。ちゃんとした検証ではなく、私の想像と感触になりますが……あれはプレートとダンボールの合せ方、ダンボールの音に対する吸収性がマッチした結果、あれほどゴキゲンな打鍵音を奏でたのかな、と。キーキャップの影響もあるでしょうし、そもそもを言えば、私の今回組んだキメラスイッチはあれを完全再現したものでもありませんしね……。まあ、それでも個人的には満足感を得られるものにはなりました。試みとして(独創性はありませんが)面白かったですし、ね!


 初めての30%キーボードへの挑戦でしたが、有意義な経験になったと思います。さすがにこれ以上はキーを削れない気がするので、これが自分が作る最小キーボードになるのかな……? まあ、将来のことは分かりませんが、今はこの新しい道具を楽しみたいと思います。



この記事はActy-45とActy-31で書きました。

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