【自キ】省キーレイアウトのキーボード、文章打てるの…?【30%】
初めて省キーレイアウト……あれはたしか、VORTEX COREだったと思いますが、それを見た時の私の感想は「これじゃあ、文章打てないよ!」でした(苦笑)。もちろん、キーボードとして成立しているのですから、打てないということは無い筈で、単純に私自身が使いこなせるとは思えなかった、ということなのですが。そんな私が今、30%キーボードを作って使っているのですから面白いですね。
さて、今回はそんな「これじゃあ、文章打てないよ!」なんて言っていた私が30%キーボードで日本語文章をそれなりに打てるようになったことを振り返りつつ、「省キーレイアウトのキーボード、文章打てるの……?」と思っている人の参考になれば良いな的記事を書いてみようと思います。
(ちなみにこの記事を書くきっかけはサリチル酸さんのDiscordチャンネルでの、40%キーボードに対する印象や体験アンケート? の存在であることをあらかじめ提示しておきます)
・私のスペック
まず、私がどの程度のスペックかを、判断材料として提示しておくべきでしょう。私なんかに興味は無くとも、どういう人間がどのような経緯で30%キーボードを作って使えるようになったのか、というのは大事なところだと思いますので。
私は趣味で小説を書いています。仕事では資料作成や発注書、在庫管理で多少PCに触れる程度で、プログラム畑の人間ではありません。むしろ自宅で趣味の時間としてPCに触れ、キーボードを多用している状況です。
小説というのは読み物としてある程度『読ませる』必要があるので、文章としての正確性とともに文体として読みやすいかどうか、そして『読みたいと思える分量』であることが求められます。求められますというか、そうでないと読んでもらうのは難しい、という感じですね。その中で塩梅が難しいのが『分量(文章量)』で、短すぎても長すぎても駄目というのがわりと見聞きするものです。私の場合は投稿サイトでの連載作品は1話3,000~4,000文字程度で週1更新、という形にしていますが、これが最適かどうかは悩ましいところです。ちなみにマニアックな視点から言えば、テキストとして7~10KBくらいの容量です。
私はこの記事を書いている現在は週1連載をマストとし、それ以外にデジタル配信の同人誌用に原稿を書いたり、趣味で自作キーボード関係のblog(これとかですね)を更新しています。なんだかんだで日本語文章を毎日、それなりに打っているという感じだと思いますが、そういうのを(小説の展開で悩むのは置いておいて)毎日、数時間特に苦労せず入力しているという人間が筆者こと、私だと思います。
・私のキーボード遍歴
曖昧ですが、おそらく私が初めてキーボードに触れたのは小さい頃、母親が持っていたシャープのワープロ『書院』だったと思います。黒くて、テレビのような本体に蓋をするような形でキーボードが格納できたようなものだったと思うのですが、適当に検索したらこれかな? というのがありました。年代が少しズレているような気がするので、後継機だったのか、売れ残っていたか何かを買ったのかはわかりませんが……。
https://museum.ipsj.or.jp/computer/word/0040.html
次に触れたのは、小学校の担任がPC好きな人で、児童にも触れさせてみようと自前のPCを教室に持ち込んで触らせてくれた時だったと思います。機種は忘れましたというか認識していませんでしたが、文字入力よりはペイントソフトで遊ぶのが面白かった記憶があります(苦笑)。
次に触ったのは……中学? 高校? もうかなり昔の記憶(白目)なので曖昧ですが、授業か何かの一環で触ったような記憶があります。最近の若い人と違って、私の頃は基本的には授業でPCとか使わなかったんですよ(苦笑)。
大学進学で初めてPCを親に購入してもらい、最初の自分用PCはデスクトップ型でしたね。どこのメーカーだったかな……忘れてしまいました。キーボードはテンキー付きの所謂『フルキーボード』ですね。
しばらくしてデスクトップからノートPCへ移行。なんとなくSONY派だったので、当時はSONYのPCだったVAIOを購入しました。こちらはノート型ですね。これを使い続けてキーキャップが割れたりした頃にさすがに動作が覚束なくなってきたので、またVAIOを購入しています。で、その後mouseに変更しました。ここまで外付けキーボードは使わず、内蔵キーボードのみで過ごしています。
自作PCになんとなく興味を持ち始めた頃、動画を見ているとオススメ動画にキーボード関連の動画が出るようになりました。そこで興味を引かれたVARMILOのテンキーレスを購入。初めてメカニカルキーボードを使いました。その後もVARMILOの65%も購入していますが、その頃自作キーボードもよく動画のオススメに出始めてきて、興味を引かれました。
自作キーボードは自分には無理だなぁ、と思いながらも興味を引かれ続けていた私がこの沼に飛び込むきっかけとなったのは組み立てサービス有りで頒布されていた堕落猫さんのYamada75 Goとの出会いでした。ほぼテンキーレスサイズのYamada75 Goは普通(?)のキーボードからの移行も苦ではなく、見た目や使いやすさとお手頃さから結局4台も購入して色々工夫しながら愛用しています。この頃はまだ、60%は行けるかもしれないけれども、50とか40は無理だなぁと思っていました。VORTEX COREを見たのがこの頃ですね。
省キーレイアウトも使えるのでは? そう思い始めたのは自分で50%サイズのキーボードを設計し始めた頃でしたね。この頃にはさすがにレイヤーというものの便利さ、重要性を理解し始め、必要な物が最低限表(layer0)にあればどうにかなると感じていました。私はレイアウトを機能性よりも見た目重視でやろうとする傾向があり、その結果タップ&ホールド機能を導入することになったのが、今思えば省キーレイアウトに対する不安感が減ったきっかけだったように思えます。ちなみに、タップ&ホールド機能を最初に認識したのはサリチル酸さんのJ73GLだったと思います。右Shiftが『_』と兼用できるように設定出来ると知った時には素直に驚いてしまいました。
そして、キーボードをキメラスイッチありきで作りたいと考えた際に、なるべく用意するキーは少ない方が楽だなという酷い理由から辿り着いたのが30%サイズのActy-31でした。
・実際に日本語文章を打つためのキーマップ
あると便利、Remapのチートシートです。最近はお世話になる回数が激減し、滅多に使わないキーをど忘れした時に引っ張り出すくらいですね。
見て頂くとお分かりいただけるかもしれませんが、それほどギチギチに設定していません。というか、プログラマーとかデザインソフトでキーボードを多用する人でもない限り、普通の文章入力であればそんなにギチギチに詰める必要は無いような気がするんですよね……。もちろん、あれば便利というキーを設定して効率を上げていくというのは重要ですし、やっていくべきだとは思いますが。無くても何とかなるというのが自分の現状です。
まず、layer0ですが、基本的にアルファベットと『,』、『.』、『/』そしてBackSpace、Enterで占められています。これだけだと小文字のみ、英文しか打てなくなってしまいますので、タップ&ホールドでShiftを共存させ、CtrlとAltも同様です。日本語を打てるようにするためには最低限『かな』キーが必要になってきますが、それらはlayer2に納めました。
layer1は数字、アローキーを優先して配置し、Spaceや日本語入力ではあまり恩恵は無いかもしれませんが私が小説投稿サイトで使用する記号、『|』や『_』を隙間にねじ込みました。
layer2は前述の『かな』や『半角/全角』、『英数』や『変換』、『無変換』とファンクションキーを配置しています。Altに関しては最初、ここに配置しましたがどうにもしっくりこなくて現在はlayer0の『X』にタップ&ホールドで共存させています。
layer3はあるとちょっと便利なキーを配置しています。右手エリアのマウスキーはマウスが無い時やキーボードから手を離さずに操作するとなると便利そうなキーですが、ポインターが爆速で動くのでオススメは出来ません(苦笑)。ただ、あるといざという時に便利ではあります。
使い始めた当初はさすがにタップ&ホールド機能を設定したキーが増えたので戸惑いもありましたが、わりと早く慣れた気がします。Twitter(現:X)でちょっとした文章を打つことから初めて、blogの更新、そして小説執筆と段階を踏みましたが……ブログ更新までは、チートシートを片隅に置きつつではありましたがトントン拍子に進めたと思います。スポーツの反復練習みたいなもので、しっかり使うつもりで打っていれば、すぐに慣れるんじゃ無いかなと思いましたね。
これ以外に設定しておいた方が良さそうなキーはありますが、現状この状態で私は日本語文章でblogの更新や小説投稿サイトでの連載更新を行っています。指が忙しいみたいな部分はあるかもしれませんが、よく言われる「省レイアウトキーボードは手をあまり移動させないでキーが打てるから良い」みたいなことは「なるほどなぁ」と実感として思えてくる部分です。レイヤー操作に最初はまごつくかもしれませんし、タップ&ホールドがなかなか頭に入ってこないという事はあるかもしれませんが、慣れてくると逆に無いのが困るようになるかもしれません。
・大きなキーボードはユーザーに楽をさせてくれている
私という、ひとりの実例では「お前はそうなんだろうな」となってしまうかもしれませんが、万人に楽かどうかはともかくとして、31キーの4層構造でも(マップを余らせた状態でも)日本語文章が打てるというのはひとつの例として知っておくと「そうなのかもしれない」と思えるかもしれません。逆に、今の私の視点からすればキーが多い大きなキーボードはこれまで私に随分と楽をさせてくれていたのだなと、そう思えます。layer0に設定されたキーが多ければ多いほど、ユーザーは深く考えずにそのキーを打てるのですから、これは楽をさせてもらっていると言っても良いのではないでしょうか?
楽なところから厳しいところにいくのを望むというのは、なかなか難しい選択肢かもしれません。生活は便利で楽な方が良いという感覚は、とてもよく理解出来ます。ただ、省キーレイアウトが窮屈で不便なのかというと……そうでもない気がします。良い例えが思い浮かびませんが、クルマで言うところのATとMTなのかなぁ……なんて。ATは楽さを、MTは操る喜びと奥深さ、みたいな。違うかなぁ……。
きちんとデータ取りをして、論文のようにまとめたものではないので『お気持ち記事』ですが、私のように省キーレイアウトに対して「それじゃあ、文章打てないよ!」と思っている人の選択肢が少しでも広がって、興味はあるけど使えそうにないからと諦めないでも済むようになったら……そうなってくれたら、私の自己満足も誰かの役に立つのでしょうか? そうなると良いなと思っています。
この記事はActy-31で書きました。
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