【自キ】空中配線30%キーボードを作るのにかかるコスト【一例】


 自作キーボードに手を出したいと思った時、「最終的にどの程度のお金がかかるのか?」ということが気になるかもしれません。私の場合は手を出したいと思ったタイミングと、日本語配列が当時、なかなか見つけられなかったこと、そのタイミングで堕落猫さんが山田75号を頒布したことで「今しかねぇ!!」と飛びついたため、正直なところかかる最終的なコストというのをあまり考えなかったように思います(まあ、山田自体がお手頃価格だったというのもありますが)。でも、やっぱり予算に対してどれだけ占めるかは、気になるし気にしておきたいところですよね。

 今回は、そんな方向とは少し違いますが、自分で設計した30%キーボードを空中配線で組む場合に、最終的にどの程度コストがかかるかを、私の場合を一例として取り上げてみようと思います。キーボードとして使えるギリギリのサイズ? である30%キーボードを作る場合、コスト的にはどんな感じなのか……一例として参考になれば幸いです。



・部品

キースイッチ:Cherry MX茶軸 35個、Gazzew Boba Black U4T Switch / Tactile 35個

/3,080+3,272=6,352円

スプリング:WS Switch Springs - DL635(110)

/1,419円

キーキャップ:DSA PBT ブランク キーキャップ 1U×30、1.5U×1、1.75U×1

/1,910-65(まとめ割り)=1,845円

ダイオード:1N4148 ダイオード(100)

/180円

導線:協和ハーモネット UL1007 AWG24 耐熱ビニル絶縁電線 2mX7色

/594円

マイコン:Pro Micro ATmega32U4-MU 5V/16MHz/USB-C

/900円

アクリルプレート:レーザー加工サービス - アクリル マット / 2mm / 450x300

/6,600-3,300(期間限定割引)=3,300円

↑【!】別のキーボードのプレートと同時だったため、個別に出す場合はA4サイズで通常、4,240円で済む。

ゴム足:和気産業 ソフトクッション 高さ5.1mm、2.2mm

/283×2=566円

ネジ:トラス小ねじ M2(50) 5MM、12mm

/220×2=440円

スペーサー:黄銅スペーサー(丸)M2 - 9mm(10)

/418円

USBケーブル:DAISO Type-C 充電・転送ケーブル 50cm

/110円


 ざっくりと、Acty-31を組んだ時に使った部品とその時にかかっている価格を並べてみました。別途送料、ルブ用の道具やら何やらがかかりますが、送料については購入先によるのでここではとりあえず割愛、ルブについてはキースイッチと使う人間によって不必要なものなので割愛させていただきます。瞬間接着材も……まあ、割愛しましょう。グルーガンなら100円均一のものでも構わないと思います(参考に、DAISOのものだと220円みたいです、本体)。あとは、はんだとはんだごてですが……一家に一台的な感じでありますよね?(真顔)


 トータル金額を計算する前に、購入時期がばらばらである点についてもここで触れておきます。基本的に自作キーボードのパーツはその都度購入すれば良い気もしますが、ものによっては売り切れがちで入手性に難があるものもありますし、パッケージの都合上、一度購入するとそれだけでいくつかの自キがまかなえることがあります。今回のリストの中ですと、導線とダイオードは複数組めるものなので、別のキーボードを組むのに使った残りだったりします。

 赤字で書いた部分ですが、これはActy-40elf用のプレートと同時にレーザーカットを依頼したため、A4サイズのテンプレートで済むところをひとつ上のサイズで加工依頼を出しています。これは半額サービス中にまとめて出したかったからですね。なので、通常は価格が異なります。


 さて、ではもしもActy-31を単独で、他のキーボードのついでではなく作る場合にかかるコストを見てみましょう。キースイッチはキメラ化を諦めます。

合計:12,373円

 計算の際、キースイッチは茶軸のみとし、アクリルのレーザーカットもA4サイズで計算しています。海外からショップが仕入れるパーツが多い関係上、この価格も2023年12月現在という考慮が必要です。

 どうでしょう、思ったよりもかかっていますか? それとも安かったですか? ショップ毎に送料事情が異なるので、ここにさらに送料が追加されるわけですが……どうでしょうか?

 作る上で、必要最低限道具を揃えるということもありますが、それらを加味するともう少し自作キーボードを始める、作る上ではコストがかかりますし、そこに組み立てにかかる時間というコスト(あなたの人件費)がさらにかかってきます。う~ん、安くはないですね、たぶん(苦笑)。部品だけのコストで大きなキーボード買えちゃいます。つまりは、自作キーボードというものは(楽しみ方、追及の仕方は置いておいて)そういうものだということです。

 今回は空中配線で私が組んだ際のコストで書いていますが、これをもし頒布するとなると事情が異なってきます。頒布するなら基板で出すでしょうし、頒布予定分の部品をまとめて手配して、頒布に必要な経費とかも考えて価格を決めていくことになります。

 頒布されている自作キーボードキットが高いかどうかというのは気になることかもしれませんが、まあ意味も無くその価格になっていないというのは、あらためて(気にしていなかったのだとしたら)気にしていただけると良いのかなぁと。中には配列や自作キーボード自体を普及させたいという熱意でメチャクチャ価格を抑えている場合もあるので、高い安いは単純な話では無いのです……私、頒布していませんけれども。自キキットを頒布されている設計者の皆様、ほんと凄いですよ。



 さて、思いつきで書いてみましたが、誰かの参考になるのでしょうか、これ……。まあ、こんな底辺の自キ愛好家のお気持ち記事が誰かの参考になるのだとしたら、幸せなことですが。……ならないだろうなぁ(苦笑)。


この記事はActy-45で書きました。

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