【キーボード】親指配置の重要性を今更知る【配列】


 とても好みな日本語配列自作キーボードセット、『Yamada75 Go』との出会いはなかなか踏み出せなかった自作キーボードの世界への入口として、とても頼もしい出会いでした。配列に無理がなく、矢印キーを備えている日本語配列のコンパクトなキーボードという、まさに私の求める形がそこにありました。


 Yamada75 Go、山田はテンキーレス未満60%以上のサイズ感のコンパクトなキーボードです。コンパクトながらそれぞれのキーがしっかりと配置されており、無理がない(この『無理がない』というのがとても重要)。小さなスペースキーに不安を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが(芥川はまさにそうでした)、実際に打ってみるとそれほど違和感もなく、むしろこのレイアウトだからこそ変換キーが押しやすい位置になっていることこそ特筆すべきかなと思います。

 一般的な日本語配列の場合(というかQWERTY配列の場合)、どうしてもキーボードに正対した場合に偏るというか、キーボード右側エリアが少し遠い状態だと思います。エンターキーを小指で打鍵する際に「よっと……」と指を伸ばす感覚から左右差を感じられると思いますが、こればかりは独創的な配列にしない限り解決はしません(だからこそ、自作キーボードでは創意工夫を重ねた配列が存在し、そして打鍵法の開発という世界も存在するのでしょう)。山田もその点は一般的な日本語配列ですが、スペースキーを中心として親指が丁度良く使えるバランスになっているのが打っていて心地良いです。

無刻印なので分かりづらいですが、Fの真下方向に無変換、Jの真下方向に変換があります。

 市販の、既製品65%サイズキーボードの日本語配列を見ると、この辺りが少しバランスが悪いというか、スペースキーに対してその左右に配置されている変換、無変換の位置取りがちょっと厳しいものがあるように感じます(FとJに対しての変換・無変換キーの位置)。位置が偏っていたり、そもそも親指の動かし方として素直な位置から手の平側に潜り込ませるように使わないといけないとか。その辺りが、山田ではこの2Uスペースキーと配置によって解消されています。これは日本語文章を打っていて、本当に楽ですね。
 これまで『なんとなく』不満を覚えつつも、明確に『何が不満なのか』がもやもやしていた部分があったのですが、この親指の配置というのはその『モヤモヤ』の中の一つだったんだと思います。とはいえ、私はそもそも運指がとても下手なので(本来であれば右手の領域に左手で侵入する打鍵です)、そもそもの原因が私にあるというのは否定できませんが……。

 親指の領域について触れられている記事を読んでも「親指の仕事量?」とあまりピンときていなかったのですが、こうして実際に親指を無理なく使えるキーボードの配置を経験すると、仕事量というよりは無理がなく使えることが重要なのかなと、(まあ実際、親指領域についてはそういうことを含めた話だとは思いますが)今更ながらその重要性を知り、考えました。
 打鍵をなんとなくで行っている自分ですら、配置によって恩恵を受けているのですから、これを適切な打鍵でキーボードを扱っている方が追求したらその効率はとんでもないものになるのではないかと想像します。そこにはただ全体のバランスをざっくり考えるのではなく、ポジションを考えて適切な偏り(というのが正確かはわかりませんが)を入れていくことも重要なのかなと思います。右側エリアに対して少し遠くても、親指がしっかりと使えることの重要性とか、一般的な日本語配列の形をしていてもそういう工夫で打鍵感(キースイッチの打鍵感というよりも、キーボードそのものとしての打鍵感)を向上できるのだなと、キーボードの奥深さを改めて思い知りました。

 趣味で『理想のマイキーボード』なんて考えていますが、まだまだですねえ……。もっと色々学んで、日本語文章入力に適したキーボードというものを追求していきたいなと、改めて考える芥川でした。

この記事は『Yamada75 Go / Hako Violet』で書きました。

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