【自キ】30%キーボードも色々【30%】


 私は趣味の創作活動(小説)で主に上の画像のActy-31という自分で作ったキーボードを使用しています。所謂30%と呼ばれるサイズのキーボードですが、実際に自分で作って使う前は「こんなに小さなキーボードを使いこなせるのか……?」と思っていましたが、合っていたのか元々難しくはないものだったのか、普通に使いこなせています(どの程度を使いこなせていると言えるのかについては疑義があるかとは思いますが)。

 今回はそんな30%キーボードに興味を持ちつつも私のように「使いこなせるとは思えない」と考える方へ、ちょっとしたお節介などを。

(私程度の知識量の方を対象とするため、かなり初心者向きの内容です)



・そもそも30%キーボードって何?

 定義的な話ですが、30%キーボードというのは表現的には「フルサイズキーボードの30%ほどのサイズ」であるというのがザックリとした表現になります。このサイズ感については

・フルキーボードに対する割合

・特定のレイアウトを○○%と呼称する

といった呼び方の違いがあるようですが、前者は日本語配列や英語配列のフルキーボード(テンキーがついているやつ)のキー数に対してどの割合なのかで表現しますね。後者はテンキーレス(TKL)を80%と呼称する等、特定のレイアウトを○○%と呼称するスタイルです。TKLからファンクションキー(F1とかのアレ)を省略すると60%といった具合に、特定のレイアウトはほぼキー数が定まっていることから「□□のレイアウトなら○○%」といった具合に決まっているようです。わかりやすいと言えば分かりやすいですが、変則的に60%の右側にキーが追加されているレイアウトを65%と呼称するようなものもあるので「TKLからファンクションキー抜いたやつ」でも60か65かは「エンターキーの右側にもキーがある?」という確認が必要だったりします(蛇足なお話)。

 30%の場合は基本的には60%から数字キーを除き、さらにいくつかのキーが省略されているレイアウトになっているかと思います。なので、特定のレイアウトを指して30%というのはなかなか難しい感じかなと思います。フルキーボードに対してキー数がいくつになるのか、というので表現するのが最も分かりやすいかと思いますが、そうすると何キーまでのキーボードが30%なのかとなりますが……

X(当該キーボードのキー数)÷109(日本語キーボードの一般的とされているキー数)

=Y(フルキーボードに対する割合)

なので、Yが0.40未満であれば30%キーボードと言って良いのではないかと思います

 私のActy-31の場合は 31÷109=0.2844 という結果となり、約28%となります。20%キーボードというには多く、30%と言うには少ない気もしますが、これまでに世に産まれている30%キーボードの例から31キーも30%と呼称するのが良さそうです。で、肝心な何キーまでが30%に該当するかですが…… 43÷109=0.3944 となるため、43キーまでが30%と呼べるサイズと言って良いかなと思います。ただし、これは日本語配列を基準としているため、英語配列を基準とすると話は変わってきます。

X÷104(Winキー有り英語配列)=Y

 これでいくとY=0.40未満となるのはXが41以下の場合となりますので、英語配列を基準とするのであれば41キー未満を30%と呼称するのが妥当となるでしょう。ただし、自作キーボードを眺めていると40キー以上となると40%サイズを連想させてしまうと考えるからかどうなのかわかりませんが、40キー以上は約40%という扱いにしている雰囲気です(Winキー無しの101キー英語配列を基準としても40キーは40%未満なのですが)。なので、慣習のような感じで40キー未満(かつ、30キー以上?)を30%と呼称すると自作キーボードの話題においては食い違いが防げそうです。


・30%と言ってもレイアウトは異なる

 ロウスタッガードであれば、○○%というとほとんど似通った形状となるかなと思います。各キーのサイズといった差異はあるかと思いますが、分割レイアウトやキーに傾きを付けているようなレイアウトでもない限りは「○○%のロウスタッガード」と言われたら「ああ、あんな感じのかな」と思い浮かべられると思います。が、30%までくると少し事情が変わるように思えまして、例えば以下のようなレイアウトが存在します。

・QAZ系

 30%でこのレイアウトを目にすることは多いのかもしれません。QAZ(Lもありませんが)を省略し、Shift等とタップ&ホールド(単押しと長押しで入力を分ける機能)等で使い分けるように使用されるレイアウトです。利点はQAZの刻印は入れられないもののキーキャップが合わせやすいこと、でしょうか?

 QAZ配列と称されるこのレイアウトの個人的な利点のひとつと感じられるのは、左側のラインを綺麗に揃えられることですね。QAZやLが見た目上存在しないという(ある意味では)アンバランスな見た目ですが、外形が綺麗というのは良いですよね。


・nomu30

 recompile keysさんのnomu30は30%キーボードで検索をかけると高確率で目にするのではないかと思いますが、前述のQAZ系とは全く異なる物理レイアウトです。ISOエンターは特に大きな違いですが、それよりも重要な特徴としてはQAZとLが物理的に独立していること、A~L、Z~Mの行のズレ方が一般的なロウスタッガードと異なっている点でしょう。作者が書かれた記事を読むと、一般的なキーキャップを利用しやすいように工夫された結果のようですね。

 行のズレ方は好みが出るところのひとつだと思うので、これが合う・合わないはあるかと思いますが発想やデザインが素晴らしいと思います。


BeThirty

R36Be
O39Be

 サリチル酸さんが設計頒布されているキーボード、『BeThirty』はGoFortyコンセプトというキーボードのコンセプトから派生した30%キーボードです。R36BeはQAZ配列系のレイアウトですが、O39Beはオーソリニア配列となっています。

 この記事的にはR36Beを比較対象とすれば良いのですが、同じコンセプトでロウスタッガードとオーソリニアがあるBeThirtyは個人的に注目している(色々なかったら早々に手を出したかった)キーボードなので、まとめてご紹介します。ロウスタッガードだけでも違いが出てきますが、オーソリニアになるとまた違った感じになってきます。ですが、キーボードの(キー数を無視した四角形のケースを考えた場合)外形は同じサイズとなります。面白くありませんか?(そこに面白さを見出す人がいるかどうか、わかりませんが)


・Acty-31

 最後に、私のActy-31を。外形は先にご紹介したNomu30に近いようなそうでもないような感じです。行のズラし方は個人的に心地良い(打ちやすい)と感じた同幅ズラしにしているので一般的なロウスタッガードとズレ方が異なります。左列が上からQAZなのでキーサイズを変えればQAZ配列ですが、個人的な好みで1Uに揃えて、あえて左側に空間を生んでいます。

 これといった特徴というのも無いかと思いますが、エンターキーが揃えにくい以外は何とかなりそうなキー配列になっているつもりです。あと、悩まされることもあるスタビライザー不要のキーサイズになっているとか。


・最後に

 まだまだ30%サイズのキーボードはあると思いますが、個人的に調べたりして知っている等の範囲でここまでにしておきます。自分がロウスタッガードを好んでいる影響でO39Be以外はロウスタッガードだけですが、それ以外のレイアウトでも日々新しいキーボードが産まれているので、「自分に合わないかも」と思われている方も色々と見ていくと「これなら」というキーボードが見つかるかもしれませんね!

 この記事を読んで「ちょっと30%もチェックしておくか」と少しでも思ってもらえたら幸いです。誰かが設計した素敵なキーボードキットを組むのも良いですし、自分で設計してみるのも面白いですよ!


この記事はActy-31で書きました。

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