【自キ】キーマップ、どうやって決める?【30%】
キーボードという道具において、使いやすさというのは時として激しい論争(?)に発展するほど個々人のこだわりがあるかと思います。一口に「使いやすい」と言っても、それは人それぞれ。レイアウト上のこだわりや、キーマップへのこだわりという部分で同じキーボードと言っても多種多様です。
今回はとある記事に触発され、こだわりの強い方や老舗の方々(?)には敵いませんが、自分なりの30%キーボードにおけるキーマップというものを公開しつつ、あらためて自分自身でも見直してみようという企画になります。お付き合いただけると幸いです。
・30%キーボードにおけるキー数
そもそも『30%キーボードとは?』というところですが。定義云々は主題ではないので簡単に触れるだけにしますが、テンキーまでついたフルキーボードに対してのキー数の割合が◯◯%として表現されているので、
X÷109(日本語キーボードの一般的とされているキー数)=Y
X÷104(Winキー有り英語配列)=Y
X(当該キーボードのキー数)、Y(フルキーボードに対する割合)
といった感じで計算した結果、Yが0.40未満の場合は30%と呼べそうです。ただし、40キーだと40%と連想させるからか、%的には問題ないのですが慣習的に(?)40キーは40%と呼称することが多いようです(空気感。統計は取っていないのであしからず)。なので、そういった事情も加味すると、30キー~39キーを30%キーボードと呼称すると、話をしている時の認識のズレに遭わないで済みそうです。
https://akutagawa-key.blogspot.com/2025/02/3030.html(そのあたりをgdgd綴った私の記事)
30~39キーで文字入力を行う、とイメージした場合、あなたはそれが可能に思えるでしょうか? 普段使っているキーボードと比べて少ない場合、あなたはきっと「キーが足りない」と思うことでしょう。私もそう思ったことがありました。しかし、自作キーボードを嗜んでいる方なら、その問題が『レイヤー』で解決することを、すでに知っていることでしょう。
・レイヤーで足りないキーを補う(キーマップ設定でカバーする)
例えば、私が愛用しているActy-31(冒頭の画像のもの)というキーボードを使う場合、キー数が31なのでキーを割り当てられる数はキー数と同じ31になります(何を言っているんだ、という感じですが)。フルキーボードの約1/3しかない訳ですが(30%ですからね)、レイヤー機能を利用した場合は、
31×レイヤー数-(レイヤー数-1)=割り当てられるキー数
となります。※レイヤー数-1は、レイヤー遷移(MO等)のために使用しているキーが使えないため。
最近では主流ではなくなってきている印象を受けますが、VIAに対応したファームウェアを使用した場合、レイヤー数はおそらく4になる(注:デフォルトの状態)かと思いますので、上の式でいくと31×4-3=121となります。日本語配列でも英語配列でも、キー数を上回りますね? つまり、31キーと少なく感じますが、レイヤーを駆使すればフルキーボード以上のキーを使用できることになります。また、これはVIAをデフォルトで使用した場合なので、他のファームウェアを使ったりすると話は変わってきます。今回はそこが主題ではないので割愛しますが。
表面上に見えるキー数では足りなく感じるものの、レイヤーを使えばどうにかなりそうですね。
・Acty-31のキーマップ
では、実際に私が使用しているキーマップを見てみましょう。
レイヤー0、表面上に出ているレイヤーですね。Acty-31は所謂『QAZ』系と同じように、左端に修飾キー(モディファイアキー)を採用していません。なので、左詰でQWERTYを入れていくロウスタッガード、というキーマップになっています。
まず、前提条件ですが、私はこのキーボードでウェブ小説とブログ記事を主に作成しています。なので、キーマップはそれを意識したものとして設定していることを、あらかじめご認識いただければと思います。用途が違えば色々と変わりますからね。
こだわりという点では、デザインの時点で左右キー数のバランスというものを考えていたのですが、それに加えてQWERTYが上手く収まることを意識していました。QAZ系のレイアウトではPやLが修飾キーと同居しているパターンが見られますが、個人的な好みとしては1Uで独立していて欲しいというのがあったからですね。また、職場で使うQWERTY配列ロウスタッガードキーボードとの違和感を(なるべく)感じないようにしたい、というのも表面上はシンプルなマップになっている要因です。頭も手も、器用ではないので……。
物理的にはオミットされている修飾キーはタップ&ホールドで他のキーと同居させています。こういうのもコンパクトキーボードあるあるでしょうか? レイヤー移動(Layerキー)はメインで使うレイヤー1用を右下(/)に、他(2、3用)を下段中央のBとNとの同居にしています。今のところこれが私はしっくりくるかな、という感じですが……Cに左Ctrl入れても良いかも、と思い始めています。(この記事を書いている段階では入れていません)
修飾キーの位置についてですが、基本的には右手側に置き、左はそれを補うという意識で設定しています。Zの左Shiftは『>』を打つために必要だったため、そこに入れたというような事情です。Altも個人的には普段意識して使うほどではないのですが、気が付けば使うキーなので左右のバランス的にそこに入れた、という妥協的設定になっていますね。
レイヤー1です。スッカスカですね(苦笑)。こちらのレイヤーは、レイヤー0に設定した以外でわりとよく使うものを設定しています。数字(記号)、ー(長音)は文章を書く上で多用するので(注:前述の通り、私は趣味で小説を書いています)、必須です。スペースキーもこちらに入れてありますね。
アローキー(矢印キー)も多用するため、こちらに入れてあります。『↑』の左右にあるキーはウェブ小説投稿サイトの特殊仕様(ルビ等を入れたりするのに使う)やファイル管理で必須なため、ここに入れてあります。結構使うんですよ、このふたつは。
位置に関してはアローキーを左エリアに配置しても良かったのではないかとも思いますが、一般的なキーボードの位置に寄せた感じですね。寄せたところで同じにはならないので意味があったのかどうか、という気はしますが。スペースキーはまあ、ここしかないかなと(一般的なロウスタッガード的に)。
レイヤー2です。こちらはファンクションキー(F1とか)、文字入力で必要なキーなどを入れてあります。括弧、変換、無変換等はレイヤー1に入れたいところですが、アローキーを優先した結果、レイヤー1に入れるのはバランスが取れないと考え、レイヤー2に入れてあります。今のところ使い勝手的には悪いという感じはないですね。『:』等は何だかんだで使うものの、レイヤー1に入れるほどではないかな、ということでここに入れてあります。頻繁に使う感じではないですが、何だかんだで使うよなぁ……みたいなキーですね。
Delは特に使わないのですが、とりあえずここに入れてあります。ホント使わないのですが。たまに他のキーとの組み合わせとかで使うことも無くはないので、念のため。でもあらためて思いましたが、レイヤー2にCtrl入れておかないと『Ctrl+Alt+Del』使えないですね(普段使わないので、しっかり見直すまで気が付きませんでした)。後ほど修正しますかね。
レイヤー3です。メインPCで使う場合はあまり使用しないですが、マウスキーを入れてあります。爆速でカーソルが動くので、最初は爆笑しました。ただ、サブPC使う時とかにあると便利です。……便利か?(自問)
他のキーはアプリ用とかウェブ、テキスト閲覧中に使う(かもしれない)キーになります。何気にこの中ではTabをそれなりに使っている気がします。必須という程ではないのですが、あると便利ですね。そういうのを入れているのがレイヤー3という感じです。
さて、ここまで見て、使用しているキー数を確認してみましょう。
レイヤー0:31キー(+7) ※+7はタップ&ホールドで使用するキー
レイヤー1:19キー
レイヤー2:23キー
レイヤー3:17キー
計:90キー(+7)
というわけで、フルキー相当までキーを使用していませんでした(苦笑)。とはいえ、これで文章入力は十分行えますし、小説もブログも書けます。私には十分ということです。
・必要なキーとは?
私のキーマップは上記のようなものでしたが、これはあくまでも私の場合はこれで足りる、これで使えるというものでした。これがプログラマーだったりすると、事情が変わってくるかなと思いますね。必須なキー、使用頻度は私とは異なるものになることでしょう。
必要なキー、というのはシステム(OS)運用上必要な物、使用するアプリで必要な物、あると便利なので必要な物等、重要度や方向性は多様かと思われます。必須となると、システム運用上必要な物、でしょうね。これらをどこまでが最低限必要なのかで、個々人の必要なキー数というのは変わってくるかと思います。これは私のただの感想ですが、一般的な使用においては実際のところフルキーなくともなんとかなるのが実情のように思えます。
(とはいえ、『Ctrl+Alt+Del』はもしもに備えて使えるようにしておきたいですね)
・キー配置に求めるもの
これはやはり最も、となると使いやすさでしょう。使いやすさ、というとなんか漠然としたイメージもありますが、使い難さを感じないというのが正確なところだと思います。そのキーを押そうとした時に、「なんか押し難いなぁ……」と思うのであれば、それは『使い難い』ということです。近いものだと「なんか面倒臭いなぁ」も同様かと。それらを解決するには『使いやすい位置』にキーを設定する必要がありますが、一方でキーの優先順位といったものも関わってきます。
キーを設定する位置は、レイヤー遷移を苦としないと仮定した場合、VIAだと同じ場所にキーは4つだけ重複できます(レイヤー違い)。つまり、最も使いやすい場所には4つだけ重複できますが、それでも「どのレイヤーに置くか?」という優先順位が生じます。使いやすい場所にキーを設定する、と言ってもこういった優先順位でずらすしかないこともあるでしょう。その中で『最大の妥協』で構成されているのが、個々人の『最適なキーマップ』と言えるのかもしれません。
・レイヤーの優先順位とキーの優先順位
レイヤーの優先順位はどのレイヤー層にあるのか、というよりもレイヤーキー(Layer、MO、TO等)がどこにあるのかで決まると思います。最も押しやすいレイヤーキーのレイヤーが優先順位が高いのではないかな、と。
優先順位の高いレイヤーには、基本的には使用頻度の高いキーが設定されていると思います。レイヤーを移動し、スッと押せる位置にあればそのキーを使いやすいですよね? 同じ位置に入れたかった他のキーを他のレイヤーに設定するのはひとつの手法ですが、そうすると使用頻度の高いレイヤーに設定された他のキーとの優先順位の差というのも気になってきます。優先順位の高いレイヤーに設定したキーと、優先したいキーの配置はそういったものが絡み合って、最終的にユーザーが使いやすいものを選択していき、洗練されていくのではないでしょうか。
レイヤーを優先するか、使用頻度の高いキーの固まりを優先するか……このあたりは使用者の感覚的な部分が強く影響するのでしょうか?
・キーマップはセンスとトライ&エラー?
正直なところ、絶対的なキーマップというのはなかなか無いと思っています。誰かにとって最適なキーマップが、自分にとってはそうではない、というのは十分考えられるものです。とはいえ、そのキーマップから感じられる雰囲気みたいなものは感じ取れるかなとも思います。自分には使い難そうだけど、こういうのが楽な人もいるかもな、みたいな感じですね。そういうキーマップを考えられるのは、センスと経験じゃないかなと思います。
センスが良いとパパッと決めたキーマップの時点である程度完成度が高いものになっていて、そこを煮詰められるのは経験、トライ&エラーではないかなと。正直なところ、私には前者が圧倒的に不足しているので(もしくは皆無)、トライ&エラーでキーマップをより良いものにしていくしかありませんね。
より良いものにしていく努力、高次元で妥協できる勇気と決断力……そういったものを身に着けられると、キーマップ設定はもっともっと良いものにできるのかもしれませんね。
書き始めた当初に考えていたことと違うような気もしますが、今回の記事は如何だったでしょうか? 普段雰囲気で自作キーボードを嗜んでいる身なので、なかなか技術的な裏付けのある、中身の濃い記事を書けませんでしたが……何かしらの参考になれば幸いです(ならない気はしますが)。
30%でも怖くない! あなたも30%キーボードで小説やブログ記事を書きましょう!
この記事はActy-31とMaggie42で書きました。
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